Weather Report : ウェザー・リポート
ウェザー・リポート ( WEATHER REPORT ) は、マイルス・デイヴィス・グループに在籍していた ウェイン・ショーターと、マイルスの2枚のアルバムにエレクトリック・サウンド導入で貢献したジョー・ザヴィヌルの2人が中心になり、1971年に結成されたエレクトリック系サウンドをメインとしたアメリカのジャズ・フュージョン・グループ。
ジョー・ザヴィヌルとウェイン・ショーターは1971年に自分らのグループを結成する運びとなり、ドラマーに アルフォンス・ムーゾン、パーカッショニストにアイアート・モレイラ と Dom Um Romão、ベーシストに ミロスラフ・ビトウス を迎えて結成された。初期の作品はマイルス・デイヴィスの『ビッチェズ・ブリュー』の延長線上にあり、それを意識したサウンドになっていた。
デビュー・アルバムの『ウェザー・リポート』はアコースティック・ベースと生楽器が主体でシンセサイザーはまだ使用せず、後の作品に比べるとソフトなサウンドが聴ける作品で、ダウン・ビート誌では1971年の「アルバム・オブ・ジ・イヤー」の栄誉を与えられるなど、注目を集めた作品になっていた。
セカンド・アルバムの『アイ・シング・ザ・ボディ・エレクトリック』からはシンセサイザやサウンド・エフェクト類が多用されるようになった。そして、このアルバムの一部分には日本公演時のライブ演奏テイクが使われていて、後に2枚組の『ライヴ・イン・トーキョー』としても日本公演時の音源は発売される事となった。
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ウェザー・リポートがブレークするきっかけとなった1974年の『ミステリアス・トラベラー』の時期、アコースティック・ベースの代わりにエレクトリック・ベースがほぼ全曲で使用されるようになっていたが、ジョー・ザヴィヌルによるシンセサイザーも多用されるようになってきたため、宇宙的で幻想的なサウンドも目立つようになってきた。このアルバムではそういった新しいジャズへのアプローチが評価され、再びダウン・ビート誌の「アルバム・オブ・ジ・イヤー」の栄誉を得るなどの評価を得ていた。
2001年に古巣のワーナー・ブラザーズを離れ、アリスタが新設したジャズ・レーベルブルーバード・レコードに移り、6作目「ハートフェルト」を発表、2006年に通算10作目となる「X (ten)」を発表した。
1976年のアルバム『ブラック・マーケット』の制作時には、メロディー・ラインはよりオリエンタルな手法へと変わっていった。アルフォンソ・ジョンソンがグループを抜け、ジャコ・パストリアス がアルバム制作後半で参加することになった。1976年のモンタレー・ジャズ・ フェスティバルへの出演なども含めて、ウェザー・リポートは頂点の時期をむかえることとなった。
1977年のアルバム『ヘヴィ・ウェザー』ではジャコのベース・ソロとドラミングが炸裂する「ティーン・タウン」が収録され、一躍ベーシストからの注目を集める事となり、「バードランド」ではベースによるピッキング・ハーモニクスなどの斬新な手法でメロディー・ラインを弾くなど、ポップなサウンドはジャズ・ファン以外にもフュージョン・ファンへも層を広げ支持されるようになっていった。
アルバム『ウェザー・リポート』が発売される前年の1981年暮れには、黄金期を築いたメンバーだったジャコ・パストリアスが自己のバンド結成のために脱退することになり、1986年にはジョー・ザヴィヌルとウェイン・ショーターが、新たなサウンドを求めてそれぞれのバンドを作ることとなり、ウェザー・リポートは解散する事になった。
アルバムの代表作に『Fourplay (フォープレイ)』『Between The Sheets(ビトゥイーン・ザ・シーツ)』『Elixir(エリクシール)』などがあり、シングルの代表作に「101 eastbound」「Between The Sheets」「Snow Bound」「Fourplay」など多数がある。
→ Wikipedia Japan → Weather Report on Amazon
→ Weather Report Official Site , Weather Report SONY Music Site
Youtube.com : Weather Report - Birdland
VIDEO
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Discography - Album
→ Weather Report: Best : Best of Weather Report (Gold Disc)
/ Best of
(1997年, Warner Bros.)
最強のスーパー・フュージョン・グループ、ウェザー・リポートのベスト盤。ジョー・ザヴィヌル、ウェイン・ショーター、ジャコ・パストリアスという最高の集合体の魅力を高音質サウンドで。
1. Birdland 「バードランド」
2. Mysterious Traveller 「テイル・スピニン」
3. Boogie Woogie Waltz 「ブギ・ウギ・ワルツ」
4. Elders
5. Night Passage 「ナイト・パッセージ」
6. Freezing Fire 「フリージング・ファイア」
7. Remark You Made 「お前のしるし」
8. Elegant People 「エレガント・ピープル」
9. Man in the Green Shirt 「マン・イン・ザ・グリーン・シャツ」
10. Blackthorn Rose
11. Black Market 「ブラック・マーケット」
→ Weather Report: ウェザー・リポート
Original Album Classics
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(1991年, Warner Bros.)
2007 five CD set, a great installment in Sony/BMG's Original Album Classics series that brings together rare and out of print titles with some best sellers from the Sony/BMG Jazz catalog. Many of these albums have been unavailable on CD for some time and are sought after by collectors. Each set is presented in a high quality, rigid cardboard slipcase containing five 'vinyl replica' mini LP sleeves. This collection from the Jazz fusion greats features the albums I Sing The Body Electric, Sweetnighter, Mysterious Traveller, Black Market and Night Passage.
2007年発売のウェザー・リポートのCD5枚組BOXセット。
→ Weather Report: ウェザー・リポート
Weather Report
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(1971年)
今やスムース・ジャズの中心的存在のフォープレイの歴史的名盤。
→ Weather Report II:
I Sing the Body Electric
/ アイ・シング・ザ・ボディ・エレクトリック(3ヶ月期間限定盤)
(1972年)
ウェザー・リポートは全作を聴いてほしいグループだと思っている。彼らが示したクリエイティヴィティは群を抜いて素晴らしいものだ。72年録音である第3弾にあたる本作は7曲中3曲がライヴ。ジャズの限りない可能性を感じさせたサウンドは少しもすたれない。「CDジャーナル」
→ Weather Report III:
Sweetnighter
/ スウィートナイター
(1973年)
いまから20年以上も前の録音にも関わらず,この時代のウェザーは極めて今日的なサウンドを有していた。複雑なビートにシンプルなメロディ・ラインという,このグループお得意のスタイルがここでも理想的な形で認められる。ヒットした1も最高だ。
→ Weather Report IV:
Mysterious Traveller
/ ミステリアス・トラベラー
(1974年)
全体的にザヴィヌル色の濃い,シンセサイザーを多用したスペイシーなサウンド。ベースはアルフォンソ・ジョンソンに交代し,2のみミロスラフ・ヴィトウスが参加している。音の間合いとリヴァーブのかかりが気持ちいい2がこのアルバムの白眉。
→ Weather Report 5:
Tale Spinnin'
/ テイル・スピニン(幻祭夜話)(紙ジャケット仕様)
(1975年)
→ Weather Report 6:
Black Market
/ ブラック・マーケット
(1976年)
ジャコ・パストリアスの参加で、世界最強のグループとなったウェザー・リポートが残した大傑作アルバム。DSDリマスターで、強力なリズムがより鮮明になって再リリースされる。
「CDジャーナル」
→ Weather Report 7:
Heavy Weather
/ Blu-spec CD ヘヴィ・ウェザー
/ ヘヴィー・ウェザー
(1977年)
全世界で40万枚以上を売り上げている、76年に録音したウェザー・リポートの最高傑作が更なる高音質でいま甦る。レギュラー・メンバーとして加わったジャコの名演が冴えわたる。「CDジャーナル」
→ Weather Report 8:
Mr Gone
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(1978年)
1978年に発表されたグループの代表的名盤。ジョー・ザビヌル、ウェイン・ショーター、ジャコ・パストリアス、ピーター・アースキンというウェザー・リポートのベストメンバーでおくる黄金期のサウンドが堪能できる。
「CDジャーナル」
→ Weather Report 9:
8:30
/ Blu-spec CD 8:30
(1978年)
人気盤『ヘビー・ウェザー』以降のレコーディングから、ジャコ・パストリアス(D)が紹介したピーター・アースキンが、正式なドラマーとして加入。理想的なレギュラーユニットが完成し、ここぞとばかりにライヴ盤が録音された。
本作は、1978年の全米ツアーの模様である。それまでのウェザー・リポートのベスト盤的選曲がうれしい作品だ。
→ Weather Report 10: Night Passage
/ ナイト・パッセージ
(1979年)
ジャコ・パストリアス、ピーター・アースキンというバンド史上最強のリズム・セクションがまともに参加した最後の作品。これまでメンバーの作品以外ほとんど取り上げなかった彼らだが、今回はデューク・エリントンの<5>という超トラディショナルなナンバーを取り上げている。加えてタイトル曲の<1>、ジョー・ザビヌル作曲の<6>、ジャコの10分にも及ぶ大曲<8>と各々ニュアンスこそ違うが、アルバム全8曲中4曲が4ビートのナンバーである。当時のマスコミが「ウェザー・リポートのジャズ宣言」などと論評したのも頷ける。(高山武樹)
→ Weather Report 11:
Weather Report
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(1982年)
ウェザー・リポート12枚目のアルバムで,’81年にレコーディングされた。’71年に発表したデビュー作と同じタイトルにしたのは,この作品が新たな出発の第一歩だ,という意志表示か。この作品を最後にジャコ,ピーター,ボビーの3人が脱退した。
→ Weather Report 12:
Procession
/ プロセッション
(1983年)
→ Weather Report 13:
Domino Theory
/ ドミノ・セオリー
(1984年)
ウェザー・リポート13枚めのアルバム。
→ Weather Report 14:
Sportin Life
/ スポーティン・ライフ
(1985)
{唄う楽器}ボビー・マクファーリンなどのヴォーカルを起用した意欲的な新作。マービンの傑作「ホワッツ・ゴーイン・オン」の他はザヴィヌル中心のオリジナルで,今までになくポップでカラフルなアルバムとなっており,ミノ・シネリの加入がその源か?
→ Weather Report 15:
This Is This
/ ディス・イズ・ディス(紙ジャケット仕様)
(1986年)
通算15枚目の新作であり,そしてラスト・アルバム。ジョー・ザヴィヌルの音楽性が全体を支配している。かつての傑作アルバムのような衝撃はないが,新しいサウンドへのトライアルもあり,アルバムとしてのクォリティーは高い。15年間,御苦労様でした。
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